第18章

望月琛の黒い瞳は瞬く間に凶光を放った。

「彼女に何かあれば、お前を八つ裂きにしてやる」

前世も今世も、望月琛が最も気にかけているのは、常に大塚雪見だった。

大塚雪見のためなら、彼女の母親の前で、こんな酷い言葉を彼女に投げかけることも厭わない。

彼女は亡くなったククを思い出した。ククはあんなに幼くて、望月琛がもう少し長く傍にいてくれることをどれほど願っていたことか。病の苦しみに耐えながらも、彼を待ち続けていた。

しかし結局何が返ってきたのか？

彼女が死んだ後、心臓まで取り出され、無理やり大塚雪見の息子への心臓提供に使われた。

「だったら、今すぐ私を殺せばいいじゃない」

前田南は...